研究概要 |
本研究では,パソコンのもつマルチメディア環境を活かして,看護教育の現場から生まれた視聴覚を駆使した体験学習支援システムの開発を試みた.マルチメディアは,インタラクティブ性(対話型)を意味しており,ビデオのようにあらかじめ決められた順序で再生される画面や音などを受動的に観察するのではなく,情報の提示に能動的に関わることができる利点がある. 教科内容にはインシュリン自己注射などを取り上げ,パソコンとしてMacintoshを使用し,テキスト・静止画(写真や図版)・動画・音声を有機的に組み合わせ,HTML(hypertyextmarkup language)で教材を記述した.試作教材を実際に使用してみて,学習効果に関する評価研究により検討を行い,学習内容の再構築を行った. 完成したマルチメディアによる看護教育システムは,インターネット上のホームページ(URLはhttp://www.hohashi.org/)で一般公開している.さらに,同じ内容はHTMLのファイルとしてCD-ROMに焼き付け,フリーウェア(著作権は存在するが無料のソフトウェア)として一般配布しており,インターネットにアクセスできない環境にあっても,CD-ROMドライブを搭載したパソコンがあれば利用できるようになっている. このマルチメディアによる看護教育システムでは,従来の教室で板書中心の講義を聴く形式とは異なり,患者と看護婦のコミュニケーションを映像と音声でリアルに学ぶことができ,より具体的で理解しやすい教育方法が可能となる.
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