研究課題/領域番号 |
08772230
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | (財)東京都精神医学総合研究所 |
研究代表者 |
山村 礎 (財)東京都精神医学総合研究所, 医療看護研究部門, 研究員 (00260323)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 地域精神衛生活動 / 精神科デイケア / 精神障害者社会復帰施設 / 保健婦(士) / 精神分裂病 |
研究概要 |
本研究における調査対象は都内保健所(管轄人口16万人、保健婦数12名)における1年間の精神保健活動事例である。調査対象期間は平成7年10月1日から平成8年9月末日までの1年間とした。この期間内に保健所に把握された事例総数は478例であり、平均年齢46歳(SD=19.2)、男246名(51.5%)、女226名(47.3%)であった。診断分類中最も多かったのは精神分裂病であり44%を占めていた。このような事例中実際に保健所内のデイケアを利用した事例は50名であった。保健所の精神保健活動事例のほぼ10人に一人はデイケアを利用している実体が明らかとなった。またこれらのデイケア利用者に関して地区担当保健婦側に事前にデイケア利用に関する明確な意図があったか否か、及びその予定利用期間を調べたところ、デイケア利用者中半数に当たる23名に関しては保健婦があらかじめデイケアの利用意図をもっており、また、予定利用期間で最も多かったのは1年(34.5%)、2年(20.7%)、3年(10.3%)、2ヶ月(10.3%)となっていた。この内2ヶ月というのはデイケアへの体験的な参加を試みるためのものであった。次にあらかじめ保健婦側にデイケア利用に関する意図があるかないかに群分けし検討を行った結果、精神障害者の全体的機能評価及び精神障害者の社会的、職業的な機能評価の項目において有意に利用意図のある群が高かった。 以上のような点を事例から検討した結果、保健婦側の利用意図の有無も重要であるが、それらの意図の方向性及び明確さ、そしてこれらの意図が精神障害者との間で充分に話された上で保健婦及び精神障害者の間で今後の方向性を共有できる場合が最も良いのではないかと考えられた。すなわち、デイケアへの導入時における導入方法として、精神障害者のニードを明確にした上でデイケア利用計画を保健婦、精神障害者ともに了承した上で導入する必要があると考えられた。また、このような方法は、保健所デイケアに限らず、保健所精神保健活動において様々な社会資源へと精神障害者を紹介する際にも採用されることが望ましいと考えられた。
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