研究課題/領域番号 |
08780095
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
|
研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
福岡 義之 熊本県立大学, 生活科学部, 助教授 (20265028)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 身体活動量 / 正弦波負荷 / 老化 / 心拍数 / kinetics / 運動 |
研究概要 |
本研究は高齢者を対象にした、健康度の評価法に関する研究である。著者らは、運動を波状に変動させたときに脈拍数(心拍数)がどのような変動の仕方しているかによって、運動に対する心臓ポンプ機能の追従性について検討してみた。被験者は、20歳代から60歳代までの63名であり、すべての被験者には身体活動量の測定として7日間万歩計を装着し、7日間の平均歩行数を身体活動量とした。正弦波運動負荷は、最大値を60%HRreserve(最大心拍数の60%レベル)、最小値を20%HRreserve(最大心拍数の20%レベル)として、この範囲を正弦波状に変動させた。周波数特性を明らかにするために負荷の周期を1、3、6、9、および12分の5種類とした。心拍数の平均応答時間(HRMRT)は、一次遅れ系の伝達関数モデルによって数学的に処理し、心拍数の動特性をHRMRTによって評価した。得られた所見が以下の通りである。 1.HRMRTは加齢とともに増加傾向にあり、老化と伴に心拍応答が遅延した。さらに、HRMRT、身体活動量、および年齢との間の相互の関連につて偏相関係数から、HRMRTと身体活動量との間のより密接な関連が認められ、心拍応答は日常の活動量の微妙な相違に対してデリケ-トに影響することが示唆された。 2.これに対して、最大下運動で得られた最大酸素摂取量は年齢との関連がより強く、身体活動量との関連は明らかにみられなかた。 以上のことから結論として、正弦波運動中の心拍数の動特性(HRMRT)は、年齢よりも日頃の身体活動状況との関連が強く、最大酸素摂取量よりも身体活動状況(あるいはトレーニング状況)を適切に評価できる指標であると考えられる。今後、身体トレーニングの効果を評価するには、心拍の応答性にフォーカスをあてることによって、健康度を幅広い年齢層で同じ尺度で評価出来ることが明らかとなった。
|