研究課題/領域番号 |
08780113
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
八木 ありさ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 講師 (80249648)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ダンス・セラピー / 身体表現による接近 / やりとり |
研究概要 |
自閉性障害児との身体表現による相互接近の観察・評価を通じて、対象児と関わり手の間での身体的コミュニケーション行動の強化とそのプロセスをとらえようとした。 週1回、自由遊びを主とした2時間のプレイ・セラピー(養護学校教員が指導する、特殊教育専攻学生のボランティアグループによる活動。対象者は3-9才の自閉性障害児で男児6名,女児2名であった)の中で30分間を、主体的かかわりによる即興的な展開を旨としたダンスに充てた。すべてのセッションをVTRで記録し、対象児と担当ボランティアの表現行動、「一緒に歩く」「押す-引く」に対する観察・評価を行った結果、以下のような所見が得られた。 1)対象児の表出が拡大し、解放される傾向を持つのは、担当者が本児の意識の方向性をとらえ、これに対する自発的表現を実現できた時であった。また、本児の楽しさや表現が消失するのは、担当者が本児や状況に依存的になるか、規制的働きかけをする時であった。 2)当初、身体接触等への対象児の拒否的表現と考えられていた行動は、実際には本児が十分に解放されている場面でもみられ、これを規制的に扱うことは、かえって本児の表現を狭める結果に繋がった。 3)セッションを繰り返し行うことにより、身体表現によるやり取り場面の持続時間が2〜3倍に伸びた。セッション開始当初には、個々の勝手で単発的な表現であったものが、相互の主体性を感じ取り、これに対して主体的表現で対応して行く時、一つ一つの表現が次の新しい表現を生み出す誘因となって、共同作業としての「二人の表現」が展開して行く過程が認められた。
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