研究概要 |
本研究では,「漢字」に関する知識の理解状態のモデル化を試みた。 具体的には,非漢字圏学習者が漢字を覚える際に着目する漢字の特徴(形,読み,書き順,意味等)を抽出し,具体的な漢字を例に,モデル化を試みた。このモデルの妥当性を得るために,非漢字圏で日本語を教えている教師と日本語を学んでいる学習者に会い,レビューを受けた。 次に,コンピュータ上でこのモデルを表現し,漢字認識と漢字生成のシミュレーションを行うプログラムを開発した。最後に,漢字ドリルプログラムでこのモデルを応用し,個々の学習者にとって認識しやすい系列で,漢字問題を提示することができるようなジェネレータを開発した。 本研究で開発したシステムは,まだ,開発段階であり,教育現場ですぐ利用できるものではない。したがって,プログラムを改良することによって,世界的に普及しているパーソナルコンピュータ上での実行や,インターネット利用によるプログラムの遠隔利用が今後の問題である。
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