研究概要 |
CSCWの考え方を活かしながら,協同作業学習場面における学習者の情報を,学習者相互でフィードバックできるための学習者支援情報について方策を検討し,システム開発を行った。 (1) 学習者支援情報の定義 CSCWでの協同学習のために,学習者の支援となる情報のことを学習者支援情報と呼び,以下のものを設定した。 (1)情報の分類・整理のための情報-タイトル・キーワードなど (2)他の学習者の参考となる情報-概要情報,リンク情報 (3)学習者の状況を把握する情報-進行状況,理解状況 (4)学習者固有の情報-コンピュータ親和度,役割期待変数 (2) 学習者支援情報を組み込んだシステムの開発 上記の学習者支援情報のうち,調べ学習場面で有効となる情報((1),(2))を利用できるようにシステムの設計と開発を行った。開発システムは,「楽習くん」(がくしゅうくん)と呼び,学習者が行う調べ学習での利用を目的とした情報収集・整理ツールで,LANを利用してお互いに作成した情報(画面)を参照し,自分の情報として取り組む機能がある。 (3) 授業での活用とシステムの評価 小学校4年社会科地域学習の単元で,「楽習くん」を利用し実践を行った。学習者同士の情報交換が,システムで参照できる学習者支援情報で活性化され,全体のパフォーマンスが向上した。このことから,学習者支援情報の有効性が知見として得られた。
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