研究概要 |
大学入試センターでは、センター試験の各県ごとの志願者数の予測を行い、それにより試験会場の割り当てなど、試験実施に関する様々な準備を行っている。また、将来的には18才人口の減少などにより志願者数の大きな変動も予想される。,このため、センター試験の志願者数を予測することは、大学入試センターにとって非常に重要な問題である。 これまでは、データに単純な多項式をあてはめて外挿する方法と現役高校生や浪人の数などにより予測を行うほほうが一般的であった。しかし、今後の大学受験の多様化により、センター試験の志願者数は、より複雑な変動を示すものと思われる。このため、データを多変量時系列データとして取り扱い、時系列モデルとベイズ的モデルを用いることによって予測を行った方が、より正確な予測が行えるものと考えた。 まず、本研究において使用するデータの作成を行った。現在まで行われてきたセンター試験、共通一次試験の資料を、計算機で解析できるテキストファイルとして入力した。次に、多変量自己回帰モデルおよびベイズ的階層回帰モデルのそれぞれ単独での当てはめおよびその組み合わせの当てはめを検討した。そして、モデルを構築した後、そのモデルの妥当性を検討するためにシミュレーション実験を行った。また、そのモデルを利用して、各県、各性別のセンター試験志願者数を予測し、県または性別ごとのパラメータの値の違いなどにより、それぞれの県や性別の特色も検討した。
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