研究課題/領域番号 |
08780189
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
山住 勝広 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (50243283)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 兵庫県南部地震 / 震災体験 / 震災体験学習 / 社会科教育 / 総合的学習 / 防災教育 |
研究概要 |
本研究は、兵庫県南部地震発生から2年目の平成8年度において、被災地域の公立学校での児童・生徒の震災体験を生かす防災教育の取み組けについて調査し、社会科における震災体験学習のあり方を検討したものである。本研究では、第一に、児童・生徒の震災体験を意味づけるために、小学校3年生と5年生の児童を対象にして、アンケート調査とグループ・インタビューを実施した。そこからは、同一の学校においても地域レヴェルや個人レヴェルで異なる震災の影響が見られ、年齢や直後の被災状況の違いによる体験の多様性、学習経験の違いなどが判明した。また、子どもたちによる体験の語りでは、被災当日の様子が詳しく想起されるとともに、個々の震災体験がそれぞれのライフ・フトーリーとなって記憶されていることが明らかになった。第二に、震災体験を生かす教育の実践活動として、神戸市教育委員会によって作成された震災体験学習の副読本「しあわせはこぼう」の主題と内容を分析し、この副読本を活用した震災体験学習について調査した。この結果、震災体験から学び発信する学習活動は、防災にとどまらず、人間の生と死、より良い市民社会への参加、地域における共生、福祉・ボランティア活動の意義など、社会科学習において今後要請される多くの新しい課題と結びつくものであることが明らかになった。つまり、震災体験学習は教科・領域横断的で総合的な学習となってきているといえる。そして、児童・生徒にとっては、そうした学習を通してみずからの震災体験の意味と震災後の人生を探究していくことが見いだされた。第三に、社会科を軸にした震災体験の総合的な学習について、小学校第3学年を対象に年間を通した教材と授業の計画・開発を実践者と行い、1年間にわたる実際の授業を記録し分析した。今後、震災後の時間経過に応じて、震災体験の総合的な学習の開発へと研究を展開させることが必要である。
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