研究課題/領域番号 |
08780205
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 同志社女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
佐伯 林規江 同志社女子大学短期大学部, 専任講師 (80225747)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 英語教育 / ドラマティック・パフォーマンス / 英語発音指導 / 第二言語習得 / 英語音声学 / 歌唱訓練 |
研究概要 |
本研究では、日本人学習者を対象とした英語の発音指導における歌唱訓練の有効性を調査することによって、歌唱訓練を導入した英語音声表現教育の可能性を検証することを目的とし、次のような予備的実験を行った。20名の被験者を指導方法の異なる2つのグループに分け、グループAでは、ある英語の歌詞を音読を中心として朗読訓練を行い、グループBでは、グループAと同一の指導者によって同一の英語の歌詞をメロディーにのせて歌う訓練を集中的に一定期間行った。指導期間の直前と直後に各被験者の英語朗読を録音し、その音声を複数のネイティブ・スピーカーに5段階で評価させ、評価の伸びをグループ間において比較考察した。指導前に採取した被験者の音声の評価に基づいて行った等質性検定において、2つのグループは等質であることが判明した。評価の対象となった発音要素の項目は、母音・子音の発音、リズム、イントネーション、音のつながり具合、発話のスピード、全体的印象、などである。指導後の音声の評価を得たのち、指導前後の発音を比較した結果、両グループで全体的発音は上達していることが判明した。次に、グループ間で各項目における指導前後の発音の伸び率を比較したところ、リズム、音のつながり具合、スピード、全体的印象の項目において、歌唱訓練を行ったグループの方が音読訓練を行ったグループに比べて発音の伸び率が大きく、グループ間での差は、それぞれの項目において有意であった。また、母音・子音、すなわち、英語の単音の発音においては、両グループにおいて上達率に有意な差は認められなかった。以上の結果から、本研究においては、歌唱訓練は、英語発音指導において、英語のリズム、音のつながり具合、スピード、そして英語発話の全体的印象、すなわち、英語音声の超音節要素の訓練に、従来の音読指導よりも効果があるらしい、ということが確認された。
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