研究課題/領域番号 |
08780242
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 直樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (00262155)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 並列言語 / 静的解析 / 型システム / プロセス計算 |
研究概要 |
本研究の目的は、並列オブジェクト指向言語をはじめとする非同期通信に基づく並列言語の静的解析とそれに基づく最適化の技法を、プロセス計算のモデルに基づく型つき並列言語HALCをとおして、確立・改良することにあった。研究成果としては、静的解析手法として(1)通信チャネルの使用順序の解析のための型システム、および(2)通信チャネルの使用回数の解析のための型システムの開発・改良が、最適化に関しては(3)並列言語における部分計算の定式化、(4)型情報を利用した分散環境における通信の高速化、が挙げられる。以下各々についてもう少し詳細に述べる。 (1)通信チャネルの使用順序の情報を含んだ型システムを開発することによって、従来困難とされてきたプロセス間のデッドロックの静的な検出や、通信のための効率のよいコードの生成が可能となった。 (2)並列プログラムにおける、通信チャネルや関数の使用回数の情報を含んだ型システムを開発することによって使用回数の静的解析を可能とし、その情報が冗長な通信の除去、通信の高速化、GCの負担軽減に有用であることを示した。 (3)並列言語における部分計算を定式化しさらにその正当性を証明した。これによって、部分計算による並列プログラムの最適化の手法および最適化の正当性の基準の確立に貢献した。 (4)型つき並列言語において、実行時型情報を用いて分散環境における通信の際のデータ量およびデータの変換のコストが削減する手法を提案し、HACLの分散処理系dHACLをとおしてその有効性を検証した。
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