本研究では、自然な人間の顔をもつ擬人化エージェントとの簡単な音声対話によってインターネットから必要な情報を引き出すことのできる先進的ヒューマンインタフェースを実現するために、以下の基礎研究・開発を行った。 1.アンカーリストを表示できるようにMosaicを改変 Mosaicのソースコード(約6万行)の一部を改変して、新しいページを開く毎に、そのページに現われるアンカーをリストにしてユーザに提示できるようにした。アンカーには、自動的に参照番号が付けられる。これにより、画像アンカーのように普通では言葉で指定できないアンカーも、音声で操作できる。 2.VSA-Mosaicインタフェースライブラリの設計と実装 独立した外部プロセスからMosaicを制御して、指定したデータを引き出すことができるようなVSA-Mosaicインタフェースを設計し、実装した。このインタフェースはライブラリ化されており、さまざまなプログラムに容易に組み込むことができる。任意のプログラムに初期化関数を組み込むだけで、Mosaicをハイパーメディアビューワとして利用できる。アンカー文字列、URL、あるいは上記の参照番号を指定するだけで、そのページがMosaic画面に表示される。 3.擬人化エージェントVSAとWWW/Mosaicとの結合 VSA-Mosaicインタフェースライブラリを用いて、自然感の高い顔と音声対話機能を持つ擬人化エージェントVSA(Visual Software Agent)とWWW/Mosaicを結合した。ユーザは擬人化エージェントとの簡単な音声対話(例えば、アンカーの文字列を読み上げる)によってMosaicを制御し、WWWサーバから必要な情報を引き出すことができる。
|