研究課題/領域番号 |
08780251
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
脇田 建 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (10242265)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 分散 / 同期 / トランザクション / 並行性制御 |
研究概要 |
従来の分散言語ではMPSとよばれるクラスの問題の記述が困難であった。これを難しくする主因は、不特定のプロセス群の共有データに対するアクセス制御であり、デッドロック処理、分散停止問題、大域的並行性制御などの諸問題を含む。 本研究では、データベースのトランザクション機構に着目し、新しい言語機構として並行トランザクション機構を提案した。言語的な拡張としては、トランザクションブロックのみを提供する。プログラマはプログラムの任意の部分をトランザクションブロックで囲うことができる。トランザクションブロックは、それが囲んでいる部分を並行トランザクションとして実行することを宣言する。すなわち、この部分の実行は他の並行実行単位の干渉にさらされない。したがって、プログラマはさまざまな実行時制御の問題をトランザクションブロック内部に留めることができ、問題の複雑さは大幅に緩和される。 従来は、MPS問題を記述する際にはモジュール性を著しく犠牲にせざるを得なかった。並行トランザクションを利用することで、これらの問題を簡潔に記述することができるようになった。 本研究で提案する並行トランザクション機構は、いくつかの点で従来のトランザクション機構と意味的に異なる。まず、並行トランザクションはトランザクションの入れ子を許す。これは、プログラミング言語の再帰的な実行過程に伴う要請である。つぎに、トランザクション内部に並行性を許す。これらの意味的な相違は、より低レベルでトランザクションの終了検知、脱出操作の処理、親子トランザクション間の並行性性などといった相違点をもたらした。 本研究では、並行トランザクション機構の実装アルゴリズムを与え、それを分散言語の実装に融合した。このために、トランザクション、ロック、バ-ジョンの管理などに新たな管理方式を考案した。
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