研究概要 |
常微分方程式の精度保証の基礎となる非線形方程式の数値計算の精度保証を行なうために,C_<++>言語を用いて,区間解析ライブラリと自動微分ライブラリを作成した. 具体的に,自動微分に関してはボトムアップ型の自動微分法をC_<++>言語によって,自動微分クラスを定義し演算子多重定義によって実現した.また,区間解析については,自動微分クラスを要素に持つ区間クラスを定義し,自動微分同様に演算子多重定義によって実現した.これらは以後の精度保証の研究開発の大きな武器となる. これらを用いて一般的な非線形方程式の解の精度を,倍精度浮動小数点数の範囲内において保証することが可能となった.任意の精度まで保証するための幾つかのアイデアも考案したが,計算量とのトレードオフを考慮するとこれで実用上十分な精度であると考えられる. 並列計算機上へ実装するための準備として,Runge-Kutta法の並列性についての考察を行ったが,有効と思われる並列性を抽出することはできなかった.特にメッセージパッシング方式での実装においては単一プロセッサの高速な計算機の優位性が目立った.これについてはすでに他の研究者による幾つかの成果が発表されているので,更に検討を要する.
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