研究概要 |
今年度の研究内容は以下の通りである. 1.異種分散環境を対象とした文書索引の分散管理方式:インターネットの広がりやディジタル図書館の出現により,ネットワーク上に莫大な情報源が現われることとなった.このような情報源から有益な情報を抽出し統合を行うソフトウェアはメディエータと呼ばれるが,本研究では特に文書情報源を対象として,メディエータを介した文書アクセスを効率化するための手法を提案した.この手法は,テキスト検索分野で良く知られているシグネチャファイルの手法を分散環境に応用したものであり,メディエータにアクセスするクライアント上で,アクセス時にメディエータが管理するシグネチャの一部をキャッシングし,後の検索に利用するものである.今年度は基本的な枠組みとアルゴリズムの提案を行った. 2.画像データベースのための複合的な画像検索手法:画像データベースのためにこれまでさまざまな手法が提案されている.大量の画像データを有する画像データベースにおける検索の効率化にためには索引の利用が不可欠であるが,これまで提案された手法はある特定の検索パターンに特化したものであった.本研究では,従来の手法を統合し,複合的な検索条件を指定可能な画像検索手法を提案し,プロトタイプの作成を行った.索引手法としては,従来よりデータベースにおいて用いられてきたB-木構造の他に,空間索引であるR-木の活用も併せて行った.
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