研究概要 |
本年度は,(1)DUMA型共有メモリを構成する単位メモリ/スイッチ素子として必要な性質の研究,(2)DUMA型共有メモリを使用したマルチプロセッサの要素プロセッサ・アーキテクチャに関する研究,(3)DUMA型共有メモリを構成するためのトポロジーの研究,(4)DUMA型共有メモリの性能評価に関する研究の4つの研究を行った. 以下(1)〜(4)の研究実績の概要を述べる.(1)の研究ではDUMA型メモリシステムを構成する単位メモリ/スイッチ素子であるRRAMの基本アーキテクチャを4種提案し,検討を行いRRAMの内部構成を明確化した.(2)の研究としてはさまざまな要素プロセッサ・アーキテクチャを評価するためにス-パスカラプロセッサ・アーキテクチャ・シミュレータを製作し,要素プロセッサ構成方式の評価を行った.また同時に,さまざまな要素プロセッサのキャッシュ・アーキテクチャを提案すると同時にキャッシュに必要なハードウェア量の評価を行った.(3)の研究としてはRRAMを相互に接続するトポロジーとその性能について考察を行った.本年度では特に2次元的に展開する上で都合の良いメッシュ型トポロジー2種について研究を行い,それぞれの得失について比較検討を行った.(4)の研究ではDUMA型共有メモリの動作をシミュレートするシミュレータを外注により製作し,そのシミュレータを用いて(1),(2),(3),(4)で提案されたアーキテクチャの性能評価を行った.その結果,小規模なメモリシステムの場合,従来のクロスバを用いたメモリシステムにくらべ,若干のハードウェア量の増加で4〜5倍のスループット向上を達成できることが明確になった.
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