研究概要 |
本研究課題では、道路ネットワーク上に立地する商業店舗の最適配置問題を理論的に解くことを目的としている。具体的な内容としては,道路ネットワーク上で需要が連続的に分布することを前提として,商業店舗の売上げを解析式で推定し,売上げ最大化問題を解くことによって最適な立地点を求めている。既存の研究では,施設が立地できる候補となる地点を予め選んでおき,その中から最適な地点を探し出す離散的最適化手法が取られてきた。そこでこの研究では,ネットワークの枝上であればどのような地点でも店舗の立地が可能であるとし,店舗の最適立地点を求める解析的方法を開発した。まず,ネトワーク上でハフモデルと呼ばれる消費者行動モデルを応用し,ネットワーク上の店舗需要を解析的に推定した。ネットワーク上における店舗の需要推定は難しいが,この研究では,ネットワーク距離座標空間と呼ばれる新しい座標空間を導入することによってこの困難性を克服し,需要推定に成功した。この推定式を目的関数として,売上げ最大化問題を定式化し,これを解いた。 本研究の成果論文は,日本都市計画学会の審査を経て大会にて発表された他,地理情報システム学会でも発表された。
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