研究概要 |
本研究では,リバーシブル・レーンを中心とした各種都市交通方策が,既存の交通システムに及ぼす影響を検討し,影響を考慮した交通システムモデルを構築した.また,開発したモデルを用いて,地方中核市を対象とした事例分析を行った.さらに,交通ネットワーク設計モデルの基本的モデルであるネットワークデザイン問題に対する新解法も開発した.平成8年度に得られた成果は,以下の通りである. 1.利用者均衡条件下におけるリバーシブル・レーン交通システムを構築し,この問題に対する繰り返し探索的な近似解法を開発し,適切な収束解である近似解を求めることができた. 2.システム最適化条件下におけるリバーシブル・レーン交通システムの凸性を解析し,凸性を保証する特性の条件を分析した. 3.開発した利用者均衡条件下におけるリバーシブル・レーン交通システムの解法を用いて,128ODペア,325ノード,1036リンクの地方中核市を対象とした事例分析を行った.また,現状のリバーシブル・レーンとの比較を行い,さらにリバーシブル・レーンを設定した場合の効果を解析し,リバーシブル・レーン,開発モデルおよび解法の有効性を検討した. 4.交通ネットワークの基本モデルであるネットワークデザイン問題に対して,Minoux法を改良した近似解法を開発し,さらにタブーサーチを用いた解法を開発した. 5.ノード100,アーク4950までのネットワークに対して,開発したネットワークデザイン問題の解法を適用し,解法の有効性を示した.
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