研究概要 |
ビ-ト波によるプラズマ中の電子の加速と加熱は次世代の粒子加速器に関連していることのみならず、核融合の研究にもかかわる重要なテーマである。これらの一つとして非線形ランダウ減衰による粒子加速があげられ、理論的研究^<1)>により次の場合に電子加速が効率よくおこることがわかっている。(1)2つの電磁波が電子ビームを伴う冷たいプラズマ中に入射されている。それらの角周波数、波数ベクトル、電場の強さは(ω_κ,k,E_κ)と(ω_<κ'>,k',E_<κ'>)とする。(2)ビームの平均速度をv_bとするとき共鳴条件ω_κ-ω_<κ'>-(k-k′)・v_b【similar or equal】0を満たす。(3)ビ-ト波の角周波数ω_<κ">=ω_κ-ω_<κ'>はプラズマ角周波数ω_<pe>にきわめて近い。 文献1)によれば波動方程式は(∂U_K)/(∂t)=-w_kA_<k,k′>U_kU_<k′>,(∂U_<k′>)/(∂t)=w_<k′>A_<k,k′>U_kU_<k′>,で与えられる。ここで、U_κ,U_<κ'>は2つの波のエネルギーである。この式を数値計算により解けばビ-ト波の電場の大きさE_<κ">を得ることができる。このとき、様々な初期条件のテスト粒子に関して運動方程式mdv/dt=-eE_<κ">を解いてその振るまいを調べた。その結果、入射された2つの波の振幅が十分大きい場合ビーム電子の一部は〜2mγ^2_pc^2まで加速されることが明らかになった^2)。ここで、γ_pはビ-ト波の相対論パラメータである。さらに、いわゆるcloud-in-cellのシミュレーションコードの開発を行なったが、現時点で報告すべき結果を出すに至っていない。最近、これらのビ-ト波加速ではストークスモードによるカスケード型の非線形ランダウ減衰においてさらに効率のよい加速がおこることが示されており^3)、シミュレーションによる研究の必要性が高まっている。 1)R.Sugaya,Phys.Plasma 1(1994)2768 2)T.Maehara,et al.,Proc.Int.Conf.on Plasma Physics in Nagoya(1996) 3)R.Sugaya,et al.Phys.plasma 3(1996)3485
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