研究概要 |
La,Ce,Prをアンモニアと反応させることで、それぞれの窒化物を得ることができた。LaNは500℃、CeNは200℃、PrNは600℃という、これまで報告されてきたそれぞれの生成温度(ほぼ原料金属の融点)よりもかなり低い温度でも窒化物を生成できることがわかった。また、Ndに関しては、反応系にアンモニアを閉じこめて700℃で反応させても、アンモニアの分解が進むのみでNdには変化が見られなかったのに対し、アンモニア気流を700℃のNd上を通過させたところ、NdNが生成した。これは、アンモニアを気流として用いると分解が抑制され、不安定な状態を維持することができるためであると考えられる。理論的にはアンモニアを不安定な状態に維持すると高い窒化能力を示すといわれており、本研究において、このことが実験的証明された。また、いずれの金属も700℃で窒素のみとは反応しないにもかかわらず、窒素と水素の混合気体とは反応し、LaNが500℃、CeNが300℃、PrNが350℃、NdNが700℃でも生成することがわかった。反応系に導入した窒素と水素の分圧の変化から、混合気体との反応では、いずれの金属の場合も窒化物が生成する前に、一度水素化物が生成していると推定される。実際に、Ceを250℃で混合気体と反応させたところ、反応生成物はCeN以外に若干のCeH_2も含まれていた。最終的には水素分圧は初期導入圧に戻るため、混合気体と希土類金属の反応による希土類窒化物生成の過程で、水素は触媒的役割をすることがわかった。
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