研究課題/領域番号 |
08780482
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
葉 民友 名古屋大学, 工学部, 助手 (10270985)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ダイバータプラズマと固体表面相互作用 / 高熱流束プラズマ / 高温輝点形成 / タングステン板 / 熱電子放出 / シース電圧の低下 |
研究概要 |
NAGDIS-Iでの熱電子放出ダバ-タ板の実験では、高熱流束プラズマ下においてタングステン板で高温輝点(ホットスポット)の形成が観測されている。実験の結果、タングステン板(厚さ0.1mm)が熱電子放出に十分な温度(2600K)まで加熱されたとき、ターゲット板の浮遊電圧は69Vから42Vまで急激に減少し、低温状態(2600K)から高温状態(3200K)への状態遷移を起こすことがすでに観測されている。強烈な熱電子放出が局所的に生じたとき、局所的にシース電圧が減少し、シースを通した局所的な電子流が増加する。この局所的熱負荷促進の結果、局所的なターゲット板温度の急激な上昇及び局所的な高温輝点の生長が起こる。以上の研究内容を論文にまとめた。(11.発表内容欄参照)。更に、空間電位の分布によってプラズマ熱流束は中心部に収縮し、ターゲット板上の温度分布はプラズマ熱流束の分布とターゲット板面方向の熱伝導および熱放射のバランスで決定され、熱伝導効果が有効でない場合は中心部に高温度部分が形成されることが分かった。そこから、プラズマ熱流束の収縮による高温度部分の局所化を明らかにし、高温輝点の形成過程を明らかにした。この研究内容を1996 International Conference on Plasma Physics(プラズマ物理に関する国際会議)に発表した。高熱流束プラズマ下での熱電子放出高温材料表面での高温輝点形成に関する研究について、実験及び数値解析の両面から、以下の点を明らかにした。 #熱電子放出はターゲット板温度に極めて敏感であるため、プラズマと材料表面間の熱絶縁破壊を通じて局所的な熱負荷が倍増される。これが高温輝点形成の主な特徴であろう。 #高温輝点の形成及び生長は、ターゲット板の熱電子放出特性だけでなく非線形な形でプラズマ熱流束の大きさにり依存している。また同様に高温輝点と接するフラックスチューブへの、磁場を横切る方向の熱輸送も依存しており、これらは非線形プラズマ-材料系の構造形成の一種である。 #高熱流プラズマ下に於いて熱電子放出高温材料表面上の高温輝点の2次元的構造形成の機構が実験並びに分岐理論において得られる。
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