研究課題/領域番号 |
08780528
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
下古谷 博司 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学化, 助手 (90249805)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | バイオフロキュラント / 放線菌 / 凝集沈殿 / 水処理 / 環境保全 |
研究概要 |
現在、水処理分野で汎用されている無機系及び有機高分子系凝集剤にはいくつかの問題点が指摘されている。硫酸バンドで代表される無機系凝集剤には、アルミニウムが含まれており、水に溶解した際に生ずるアルミニウムイオンがアルツハイマー症を引き起こす可能性が指摘されている。一方、ポリアクリルアミドで代表される有機高分子系凝集剤では、凝集在中に溶存するモノマーが神経毒であり、強い発ガン性を有していることが問題視されている。これらの問題を克服・解消する新規凝集剤の開発が各方面より切望されていた。筆者は、微生物を培養した際にその培養液中に凝集能を有する物質(バイオフロキュラント)が生産されることを見いだしその基礎研究を行った。 放線菌(Streptomyces vinaseus)を培養した際に、培養液側と菌体側に凝集能を有することがわかり、まず、培養液側に注目しその分離精製と基本的性質を明らかにすることとした。酵母エキス、KH_2PO_4、MgSO_4・7H_2Oからなる液体培地で3日間培養し、得られた培養液を粗標品とし以下の精製操作に使用した。粗標品にアセトンを加えて目的物質を析出沈殿させ、クロロホルム/メタノールの混合溶媒で洗浄しさらに、ゲル濾過クロマトグラフィー(セルロファインGCL2000m)により分離精製した。得られた試料を最終精製標品としてその基本的性質を測定した。また、懸濁物質としてカオリンを使用した。その結果、本凝集剤は酸性領域で凝集能を発揮し、特にpH3で最大凝集活性を示した。また、熱安定性試験では、本凝集剤は熱に対して不安定であり、沸騰水中4分の加熱でほとんど凝集活性を示さなくなった。さらに、添加量の影響について検討したところ懸濁物質より異なるがいづれも最適な添加量の存在することが明らかとなった。さらに、蛋白質を多く含んだモデル廃水に適用したところ比較的高い凝集活性が観察された。
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