研究課題/領域番号 |
08780557
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | プロテインCインヒビター / プロテインC / シスエレメント / トランス因子 |
研究概要 |
プロテインCインヒビター(PCI)は血液凝固制御因子の活性化プロテインC(APC)に特異的な血漿阻害因子で、α1アンチトリプシンなどと相同な構造を有する血漿セリンプロテアーゼインヒビター(SERPIN)ファミリー蛋白質の1つである。また、PCIは精漿中に血漿中の約40倍も高濃度に存在し、男性不妊症患者精漿中で著はしく低下していること、また精子の尖体にも存在し、卵との受精に関わっていることが示唆されている。また最近では、血小板にもPCIが存在し、PCIは血小板上でより効果的にAPCを阻害することが明らかになっている。過去2年間の本奨励研究の補助のもと、ヒトPCI遺伝子の5'上流領域(約1.6kb)中の肝における主要な転写調節領域としては、Sp1結合部位がプロモーター領域として、Sp1結合部位より上流側のAP2結合部位がエンハンサーとして、下流側のAP2結合部位がサイレンサーとして重要であることを明らかにしてきた。本年度は、この研究を更に発展させ、肝でのPCI遺伝子発現に関与するトランス因子に関して検討を行った。その結果、プロモーター領域であるSp1結合部位にはSp1蛋白質が結合すること、またエンハンサー領域である上流のAP2結合部位にはAP2蛋白質が結合すること、下流のAP2結合部位にはAP2様の蛋白質が結合することにより、それぞれPCIの発現を正あるいは負に調節していることを明らかにし、これらの核蛋白質がPCIの肝での発現を調節していることを明らかにした。現在、PCIを発現する生殖臓器由来の株化細胞を検索するとともに、腎臓由来の株化細胞および巨核球細胞において同様の解析を行い、PCI遺伝子上の組織特異的発現調節領域の同定を試みるとともに、その領域に結合し転写を調節する組織特異的トランス因子に関しても解析を行っている。
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