研究課題/領域番号 |
08780575
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
反町 洋之 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10211327)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カルパイン / 遺伝病 / 骨格筋 / システインプロテアーゼ / コネクチン / 筋原線維 / カルシウム / 筋ジストロフィー |
研究概要 |
p94は骨格筋特異的に発現するカルパインであり、自己消化により非常にターンオーバーが速く、核に局在するなどの特徴を有し、極めて特異的な分子である。また肢帯型筋ジストロフィーの原因遺伝子としても同定されている。最近我々は、p94が筋弾性タンパク質であるコネクチンと結合することを見出した。そこで本研究は、コネクチンとp94が骨格筋で結合していることの生理的意義に焦点を絞り、骨格筋細胞内のp94を中心とした情報伝達系・タンパク質分解系の新しい分子機構を解明することを目的として実験を行った。まず、筋芽細胞多分化能細胞などの培養細胞においてp94を発現させ、コネクチンとの相互作用の生理的役割を考察した結果、p94の発現は筋芽細胞の分化に影響を与えるが判明した。現在、誘導プロモーターなどを用いて、さらに詳細な検討を加えている。また、肢帯型筋ジストロフィー2A型におけるp94の役割を調べるため、患者骨格筋を用いて組織染色、発現コンストラクトの作成とする発現様式の解析などを行った結果、肢帯型筋ジストロフィー2A型の患者で見られるp94の変異体は、野生型のp94と大きく異なった性質を有し、例えば、野生がたでは急速な自己消化が起こるのに対して、変異体ではその活性が失われている事を明らかにした。さらに、報告されている多くのp94の変異体について、この発現コンストラクトを作成し、これに共通する性質を検索中である。これらの結果は、肢帯型筋ジストロフィーの分子機構の解明に大きな寄与をしうると考えられる。
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