血小板活性化因子(PAF)を不活化する酵素、PAFアセチルハイドロラーゼは、生体内のPAF濃度調節に重要な役割を演じていると考えられている。我々は、ウシ脳において主要な活性を担う細胞内I型PAFアセチルハイドロラーゼの精製、遺伝子クローニングを行い、本酵素が、分子量45kDa、30kDa、29kDa(それぞれα、β、γサブユニットと呼ぶ)の三つのサブユニットからなることは明らかにしてきた。このうちβサブユニットとγサブユニットは互いに相同性を持ち、それぞれ酵素活性を有する。我々は今回、αサブユニットをβ/γサブユニットから分離、再会合する系を確立した。また大腸菌に発現させたβ、γサブユニット蛋白質はそれぞれホモダイマーを形成する性質があること、及び動物細胞中にも同様なホモダイマーが存在することを見出した。現在、このようなホモダイマーとαサブユニットの相互作用及びそれによる機能の変化について解析している。
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