研究課題/領域番号 |
08780617
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | モジュール / リン酸基結合モジュール / HTHモジュール / 塩基認識モジュール / 434Cro / Arc repressor / DNA polymerase β / ホメオドメイン |
研究概要 |
DNAに結合するタンパク質の塩基認識部位には共通の部分構造が用いられている場合が多い。それではリン酸基と結合する部分にも、共通の構造が存在しないだろうか。本研究は、DNA結合タンパク質のリン酸基結合部位に共通のモジュールが存在するかを明らかにすることを目的に行われた。モジュールとはコンパクトな構造をもつタンパク質の構造単位である。イントロンの位置とモジュールの境界の相関より進化の単位でもあると考えられている。 DNAとの複合体で立体構造が判明しているDNA結合タンパク質のモジュール境界を同定し、立体構造を比較した。その結果、真核生物のDNA polymerase βと原核生物の434 CroおよびArc repressorとに立体構造及びリン酸基との結合様式が共通のモジュールが見つかった。これらのタンパク質の全体構造はまったく異なる。このモジュールはN末端側とC末端側がヘリックスで構成されており、短いループでふたつのヘリックスがつながった構造をしていた。C末端側のヘリックスのN末端の主鎖の-NHがリン酸基の酸素原子と水素結合する様式が共通だった。以上のことより、DNAのリン酸基に結合する様式が共通であり、立体構造が類似のモジュールが存在することが示せた。以上のことをまとめ、論文投稿準備中である。 それでは、塩基認識・リン酸基結合モジュールと類似部位を機能未知のタンパク質に見つけだすことで、そのタンパク質の立体構造・機能を推定することはできるだろうか?立体構造・機能が判明していないクロロプラストのIRF170タンパク質が、塩基認識・リン酸基結合モジュールをもつホメオドメインとアミノ酸配列の類似性があることがわかった。このことはIRF170がDNA結合タンパク質であることを示唆する。原核生物由来のクロロプラストにホメオドメイン様タンパク質が存在する可能性があることを初めて示した。
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