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分泌型タンパク質の膜内移動の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08780685
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 細胞生物学
研究機関東京薬科大学

研究代表者

森 博幸  東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (10243271)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード膜透過 / SecY / SecA / SecG
研究概要

1)我々はこれまでに、分泌型蛋白質の膜透過は1残基毎に連続的に進行するのではなく、約30アミノ酸残基毎に不連続に進行する事を見いだしている。そこで、この不連続な膜透過を支配する領域、あるいは因子の同定に関して次のような成果を得た。
種々の分泌型蛋白質の成熟領域中には、ある頻度で短い疎水領域が存在している。そこで、分泌型タンパク質pro-OmpAを材料として、成熟領域中のこの疎水領域を欠失させた前駆体を系統的に作製し、それらを用いたin vitro膜透過実験を行った。得られた膜透過中間体の解析より、不連続な膜透過はこの短い疎水領域の位置で膜透過の速度が著しく低下するために観察される事を明らかにした。加えて、架橋実験から、この疎水領域は主にSecYによって認識されている事を示した。さらには、この疎水領域の長さを2倍にする事により、in vitroでの膜透過はその位置で完全に停止する結果も得た。以上の結果は、膜透過途中の蛋白質内の疎水領域がSecYによって認識され、そこでその疎水性度に応じて分泌あるいは膜への組込みの選別がなされている可能性を示唆している。
2)SecAは大腸菌の膜透過反応において必須のATPaseであり、その加水分解と共役してダイナミックな構造変化を引き起こし、膜内へ挿入される事が知られている。また、このSecAの膜への挿入反応と、膜内在性膜透過装置の1つであるSecGのトポロジー反転が共役している結果を示唆する報告もなされている。アミノ末端8残基を欠失させた変異型SecAの生化学的解析から、この領域の欠失はプロトン駆動力に強く依存する前駆体の膜透過能を著しく低下させる同時に、SecAのATPase活性、膜内挿入活性、SecG反転活性などを大きく低下させた。これらの結果はSecAのアミノ末端領域はSecGとの相互作用に強く関与している事を示唆している。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sato,K.et al.: "Characterization of a potential catalytic reside,Asp-133 in the high affinity ATP-binding site of Escherichia coli SecA,translocation ATPase." J.Biol.Chem.271. 17439-17444 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Sato,K.et al.: "Short hydrophobic segments in the mature domain of pro-OmpA determine its stepwise movement during translocation across the cytoplasmic membrane of Escherichia coli." J.Biol.Chem.272. 5880-5886 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Mori,H.et al.: "The hydrophobic region of signal peptides is involved in the interaction with membrane bound SecA." Biochim.Biophys.Acta. (in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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