研究概要 |
1.DII1-Notch1-Hes1シグナルの検出系の確立 yeast two hybrid system及びPCRによってNotch1、DII1のcDNA及びHes1 promoterを単離した。これらを用いてサイトメガロウイルスのプロモーターの下流にNotch1,DII1のcDNAをつないだconstruct(pCDNA3-Notch1,pCDNA3-DII1)およびHES1のプロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子をつないだconstruct(pGVB-HES1)を作成した。現在はNIH3T3細胞にpCDNA3-DII1を導入しDII1がゲノム中に組み込まれた9クローンについてDII1蛋白の過剰発現を確認中である。P19細胞にpCDNA3-Notch1を導入した細胞については、何度かのスクリーニングを行ったが得られておらず、Notch1蛋白の過剰発現が細胞にtoxicである可能性がある。今後は、一過性発現による系及び、テトラサイクリンによるinducibleな系でのNotchの過剰発現を試みる予定である。 2.変異型のNotch1,DII1蛋白質のNotchシグナル伝達系に及ぼす影響の検討 Dominant negative型として働くと推測される変異型Notch1,DII1の発現ベクターを作成した。1の系が確立すれば変異型の蛋白の影響を検討する。 3.Notchシグナルの関与の検討 Notch1及びDII1の細胞外部分に対するポリクローナル抗体を作成した。これらの抗体により、網膜細胞、胸線細胞、骨髄細胞が染色されることより、その分化過程にNotchシグナルが関与することが示唆される。今後どのような細胞系列がNotchあるいはDII1を発現しているかを検討し、Notchシグナルの増減による分化への影響を調べる。
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