1.上丘浅層へのSP(サブスタンスP)入力の起源 カイニン酸による破壊実験により、上丘(浅層)由来であることが示唆された。すなわち、上丘にカイニン酸を微少量注入した場合に上丘浅層のSP含有神経線維の局所的消失が認められた。他の箇所への注入によっては明かな消失は認められなかった。 2.上丘浅層のSP受容体含有ニューロンとペプチド含有ニューロンとの関係 免疫組織化学による二重標識法により、SP受容体含有ニューロンの一部がVIP(vasoactive intestinal polypeptide)をも含有することがわかった。これまでの報告で、VIP含有ニューロンが外側膝状体へ投射すること、SP受容体含有ニューロンの一部が外側膝状体へ投射することがわかっている。よって、上丘から外側膝状体への投射ニューロンの中にはSP受容体とVIPとを同時に持つものがあるということが示唆された。 3.まとめ 1、2のことから、VIP含有上丘-外側膝状体投射ニューロンが、上丘内在性のSP含有ニューロンにより制御を受けている、ということが強く示唆された。 4.今後の展望 上丘内在性のニューロンとしてGABA(γ-アミノ酪酸)含有ニューロンが知られているが、このGABA含有ニューロンとSP含有ニューロンとの関係について共存関係があるのか否か、またGABAおよびSPを受ける側のニューロンについて、GABA受容体、SP受容体がどう局在しているのかについて検討したい。
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