研究課題/領域番号 |
08780723
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大石 仁 京都大学, 医学研究科, 助手 (00252461)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | グルタミン酸 / グルタミン酸受容体 / 脊髄 / 一次求心性線維 |
研究概要 |
中枢神経系の興奮性シナプス伝達の多くは、グルタミン酸受容体を介しておこなわれる。グルタミン酸受容体のうちGタンパク質共役型グルタミン酸受容体では、現在8サブタイプ、3グループ(mGluR1/5とmGluR2/3とmGluR4/6/7/8)が報告されている。 このうちmGluR4/6/7/8は、L-AP4を用いた電気生理学的研究により、少なくともその一部はシナプス前膜に存在することが示唆されていた。しかし既報の中枢神経系内分布の解析は、申請者を含む数グループが行なったin situ hybridization法による解析のみであった。本研究ではmGluR4/6/7/8のうちmGluR7に着目し脊髄で解析を行なった。mGluR7の特異抗体を開発し免疫組織化学法によりmGluR7の局在を光学・電子顕微鏡下に精査した。解析の結果、以下の知見を得た。 1)脊髄後角1層、2層にmGluR7の強い免疫陽性染色像が観察された。この染色像は脊髄後根切除により著しく減少した。したがって、後根神経節にmGluR7のmRNAが強く発現するというin situ hybridization法の結果と総合して、mGluR7は脊髄後根の一次求心性線維の終末に分布することが示唆された。 2)実際、電子顕微鏡による観察で、mGluRがシナプス前膜のアクティブゾーンに限局して存在することを示す像が得られた。 3)さらに、痛覚線維を標識するI-B4とmGluR7とで2重標識した切片を電子顕微鏡で観察すると、I-B4とmGluR7の軸索終末での共存が認められた。これにより、1)と同様、mGluR7の少なくともその一部は脊髄後根の一次求心性線維の終末に分布することが示唆された。
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