研究概要 |
新たな神経系特に視床下部に発現するコネクシンを検索するために、ラット視床下部より、mRNAを採取し逆転写酵素にてcDNAを作成した。即ち、J-A Heafligerらの方法に準じてコネクシン分子においてその塩基配列が、よく保存されている膜貫通領域にてdegenerate primerを作成した。PCRにてP32-CTPの存在下において増幅されたフラグメントをポリアクリルアミドゲルに泳動してそこに現れたDNAのbandを切り出した。8本の切り出されたバンドからPCRをおこなってDNAを回収し、プラスミドベクターにサブクローンして、おのおののバンドについて10個のクローンについて塩基配列を解析した。その結果、新規コネクシンのクローンを得た。そのクローンについて現在、in situ hybridization,Northern hybridizationを用いて、神経系での発現に関して検討を加えている。 また、現在までに発表されているコネクシンの塩基配列を元にしてprimerを作成し、いくつかのコネクシン分子に関してPCRを用いて部分的なcDNAを得た。それをプラスミドベクターにサブクローンして、in situ hybridizationを行った結果、コネクシン32mRNA、および、コネクシン43mRNAに関しては神経系で広範な発現を認めた。また、これらのmRNAは中枢神経を傷害することによってその発現量が著明に増大することが確認された。コネクシン26mRNA,コネクシン33mRNAに関しては、中枢神経系にて明らかな発現を認めなかった。
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