研究課題/領域番号 |
08780761
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
今井 嘉紀 国立精神・神経センター, 代謝研究部, 室長 (20270689)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミクログリア / マクロファージ / 活性化 / 顔面神経切断 / 主要組織適合遺伝子複合体 / EFハンド / カルシウム / カルシウム結合たんぱく質 |
研究概要 |
近年、神経細胞の機能維持においてミクログリアが重要な働きを持つことが認識されるようになってきた。一方、神経疾患時には病的に活性化されたミクログリアが神経障害性に働くことが報告され、ミクログリアの活性化機構の解明が強く望まれている。 我々は分子量約17,000の新規のEFハンド型カルシウム結合たんぱく質を見出し、そのcDNAをクローニングし、Ibal(ionized calcium binding adapter molecule 1)と名付けた。Ibalのアミノ酸配列は既存の分子と強い相同性は持たず、特殊な機能の存在が示唆された。Ibalの発現は脾臓で強く、脳、肺、腎臓で弱く認められた。抗Ibal抗体を調製し臓器内での細胞分布を調べたところ、脾臓ではマクロファージに、脳ではミクログリアに特異的にIbalが発現していることが示された。さらに、顔面神経切断時に見られる活性化ミクログリアでIbalの発現が増強することがわかり、Ibalがミクログリアの活性化において重要な機能を持っていることが示唆された。 一方、生化学的解析を行い、Ibalたんぱく質がカルシウム結合能を持つこと、溶液内では単量体として存在することを示し、さらに、Ibalが細胞内でセリン残基に燐酸化を受けていることを明らかとした。また、ゲノムクローニングを行い、その構造解析を行ったところ、ibal遺伝子がmajor histocompatibility complex class III領域内に存在することを明らかとした。この事実はミクログリアの免疫提示細胞としての機能を考えるうえでも大変興味深い。
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