(1)持続的採血をおこなうためのチューブを血管内に留置し、更に薬物注入用のカニューラ及び睡眠・覚醒状態判定のための脳波・筋電活動測定用の電極を慢性的に頭蓋骨に固定したラットを作成する手術手技を確立した。(2)十分な回復期間の後に、ラットを実験装置に移動し、持続的に生理食塩水を微量持続注入することによって採血用のチューブを確保しながら、4日間以上、動物の体調を崩すことなく睡眠・覚醒サイクルを測定することができることがわかった。このような状態においてもラットは自然な睡眠・覚醒サイクルを示すことがわかった。(3)しかしながら、このような状態で睡眠を阻害することなく採血することには成功していない。実験用ケージの防音や、採血用チューブの長さと吸引圧の関係、体位変換に基づくチューブ開口部の閉塞、採血後のチューブ内血栓の形成などが理由として考えられた。これらの問題をすべて解決することは今回の申請期間においては不可能であると思われたの、問題解決への試行を続けながら、麻酔下にて、睡眠を誘発することがわかっている量の睡眠誘発物質を脳内に投与するとともに、持続的に採血を行い、ホルモン量を定量することを試みている。
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