研究課題/領域番号 |
08780793
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
中村 健 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50227906)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脳虚血 / 海馬スライス / 細胞内カルシウム / 蛍光カルシウム指示薬 / 蛍光ナトリウム指示薬 / 光学的測定 |
研究概要 |
本研究では、海馬スライスin vitro脳虚血モデルにおいて虚血負荷をかけた場合に海馬CA1ニューロンで生じる細胞内カルシウム及びナトリウム濃度上昇を単一神経細胞レベルでとらえた。 1.細胞内カルシウム濃度測定に関して以下の成果が得られた。単一神経細胞内での測定のための基礎的検討として、従来の方法により以下のことを行った。 (1)組織染色法やCA1ニューロン欠損標本を用いてマクロイメージング法によるCA1領域でのCa上昇が、神経細胞内に由来することを明らかにした。 (2)親和性の異なる複数のカルシウム指示薬によりCA1ニューロンの樹状突起における特異的上昇を明確化した。 この結果をふまえて海馬単一神経細胞内へCa指示薬を注入し、虚血刺激中に生じる細胞内カルシウム濃度変動の測定を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 (3)虚血負荷により、数分の潜時を以って海馬CA1ニューロンで細胞内カルシウム濃度が上昇した。 (4)細胞体だけでなく樹状突起部でも上昇した。 2.細胞内ナトリウム濃度変動に関して以下の成果が得られた。 (1)虚血負荷により、数分の潜時を以って海馬CA1ニューロンで細胞内ナトリウム濃度が上昇した。 (2)虚血負荷による細胞内ナトリウム濃度上昇はCA1領域に特異的なものであった。 以上の結果より、短時間の虚血負荷により海馬CA1神経細胞においてイオンホメオスタシスが破綻を来たし、このことが後の遅発性神経細胞死を誘発する要因となることが示唆された。
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