研究課題/領域番号 |
08780795
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
宮田 麻理子 理化学研究所, シグナル伝達機能研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70281631)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 小脳 / 長期抑圧 / Purkinje 細胞 / 平行線維 / 登上線維 / CRF |
研究概要 |
1:CRFおよび拮抗薬のプルキンエ細胞への影響 CRF、その受容体の拮抗薬の外液中への投与において平行線維、登上線維のEPSPに与える影響について解析した。CRF0.5μMを外液中に与えると2-3mVの脱分極が認められinput resistanceも小さくなった。これは、CRFのourward K cundactance低下効果によるものと考えられた。また拮抗薬のα-herical CRF1.0uMの投与は平行線維、登上線維のEPSPに影響を与えなかった。 2:長期抑圧におけるCRFを介する細胞内伝達機構 α-herical CRF1.0uMを外液中に投与して、平行線維と登上線維の同時刺激(1Hz,300回)を与えると長期抑圧(LTD)が阻害された。従来小脳の長期抑圧における登上線維の役割は、脱分極にともなう電位依存性カルシウムチャネルを介したCa^<2+>の流入とされ、多くの研究者が登上線維の変わりに直線Purkinje細胞を脱分極させ同時に平行繊維の刺激の組み合わせることで長期抑圧の研究をされている。そこで、CRF受容体を介する系が電位依存性カルシウムチャネルに対し作用してCa^<2+>の流入を促進させ長期抑圧の形成を促すかを、既に当研究室にある共焦点レーザー顕微鏡を用いて検索する。パッチ電極内にカルシウムグリーンなどの蛍光色素を入れPurkinje細胞特に樹状突起のカルシウム流入状態を可視化し、CRFおよび拮抗剤存在下での脱分極によるCa^<2+>の流入に対する影響を観察したが、細胞内カルシウムの増加および同様の実験をカルシウム電流を測定しI-V曲線の変化には影響を与えなかった。 3:登上線維欠損ラットを作成し長期抑圧を解析する 登上線維由来のCRFが持続的放出およびPurkinje細胞の脱分極Kの放出による、前シナプスからCRFの放出によりLTDに必須であるかを確かめるため以下の実験を行った。3-アミノピリジンをラットに腹空内投与すると1ヵ月後には完全に下オリーブ核を起始とする登上線維のみが欠損する。この標本を実験に使い登上線維から随時に分泌されるCRFを除くいた状態で、Purkinje細胞の脱分極と平行線維の刺激の組み合わせ刺激を与えた。LTDは抑制され登上線維由来CRFはLTDに必須であることが明らかになった。
|