研究課題/領域番号 |
08780813
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 俊朗 東北大学, 工学部, 助手 (30270812)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 非線形弾性 / 弾性係数 / ピペット吸引法 / 2軸引張 / 胸部下行大動脈 |
研究概要 |
1.はじめに 血管壁の大変形時の弾性特性を知るための新たな測定法として、二軸引張装置により予めひずみを与えた状態でピペット吸引を行うことで試料の大変形時の弾性係数を推定する方法を提案した。また、内圧負荷試験を併せて行い両試験法による結果を比較・検討した。 2.方法 ブタ胸部下行大動脈(外径約20mm、壁厚約2mm)から40x40mm程度の十字型試料を、主軸を血管壁の軸および円周方向に一致させながら十字型金型で打ち抜いた。試料を内腔面を上にして自作の二軸引張装置に固定し、周囲を室温の生理食塩水で満たした。ネジ送りステージを調節して軸および円周方向の伸び比を1.0〜1.5程度の範囲で0.1ずつ変化させながら、内径800μmのガラスピペットで試料表面を吸引した。ピペット内の試料の変形量はビデオマイクロスコープを通してモニタ上で二値化して求めた。一方、軸および円周方向の試料のひずみはCCDカメラで撮影し、試料表面の標線を二値化して求めた。弾性率Eは実験から得られた吸引圧-変形量関係を有限要素法解析から得られた同様の関係と比較することで求めた。また、別途比較のため同一個体の円筒状試料に対して従来法の内圧負荷試験を行い増分弾性係数H_<θθ>を求めた。 3.結果および考察 軸方向伸長比λ_zが一定の場合、Eは円周方向伸長比λ_θが増加するに伴い単調に増加した。一方H_<θθ>は指数関数的に増加した。ブタ大動脈の生理状態におけるλ_θの平均値に相当する1.3程度の範囲までEとH_<θθ>はよく一致していた。本法では試料は均質等方性の超弾性体と仮定しているが、実際には血管壁は異方性は有しさらに変形の進行に伴い異方性の程度が大きくなると考えられる。これがλ_θ>1.3で両者が一致しない原因の一つとして考えられる。
|