研究課題/領域番号 |
08780815
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邊 高志 東北大学, 工学部, 助手 (90250696)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 機能的電気刺激 / FES / 運動機能再建 / 筋モデル / 刺激周波数 / 骨格モデル / 神経活動電位 / 尿失禁 |
研究概要 |
機能的電気刺激(FES)による麻痺肢の運動機能再建の臨床的実用性をさらに向上させるために、臨床におけるFESシステムの生体工学的基礎を確立する事を目的とし、以下の研究を進めた。 1.速筋・遅筋といった異なる特性を有する筋の刺激周波数-張力特性を解析し、筋・腱系の基本的な電気刺激応答モデルとして、刺激強度及び刺激周波数を入力とする筋・腱モデルを構築した。ここでは、先に得られた速筋・遅筋といった筋の異なる特性を、電気刺激による筋活動レベルの刺激周波数依存性に反映させた。 2.3リンク骨格モデルを構築し、簡略化した筋・腱系のモデルを用いて、筋・骨格系の運動モデルを構築した。また、等尺性条件下での筋張力について、構築した筋・骨格モデルによるシミュレーション結果と、健常者での刺激実験による結果とを比較し、筋腱系-骨格系の結合形態に関する検討を加えた。 3.FES制御のためのフィードバック情報等を神経活動電位から検出する事を目的として、外的な機械的刺激により発生した神経インパルス群を計測し、それらを誘発する刺激の種類をそれらの神経インパルス波形から推定する方法について検討した。本研究ではクラスタリング手法を採用し、計測した神経インパルス波形から、与えた機械的刺激を推定可能であることを確認した。 4.尿失禁をFESにより防止することを目的として、閉ループ制御を考慮した新たな刺激方式の検討を行った。尿道閉鎖に関与する筋は、左右の陰部神経による両側性の神経支配があるので、各神経束に印加する刺激パルスの位相をπずらす刺激方法を検討し、超神経束を同位相で刺激する場合に比べて短時間の高尿道収縮力を得る場合に適している事を示唆した。また、長時間の低尿道収縮力を維持する場合には、各神経束を交互に単独刺激する方法が有効である事を示唆する実験結果を得た。
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