研究課題/領域番号 |
08780819
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 医用器材研究所計測機器部門, 教務職員 (00205668)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 採血 / 無痛 / 穿刺 / 自動 / 蚊 / 鋸歯 / 振動 |
研究概要 |
【目的】本研究では皮下の血管への自動穿刺を実現するために、蚊が皮膚や血管を穿刺する際に一対の鋸状の針を振動させていることに着目し、この針のモデルを作製して血管の弾性変形を押さえるのに最適な針の形状、振動数などのパラメータを求めることを目的とした。 【方法】蚊の鋸状の一つの歯の大きさは10μmと小さく、1μm程度の三次元加工精度を必要とする。そこで現在の機械加工技術を用いて数10〜100μmの大きさの歯を持った製作を試みた。また並行して穿刺に最適な形状を力学的に評価するための数値シミュレータの作製を行った。 【結果】蚊の鋸針の直径の10倍の大きさのモデルを施盤加工により作製し、ラテックスゴムの穿刺実験を行った。鋸針は0.4mmの市販注射針を2分割し、鋸状の溝をネジのように彫ることで鋸歯の代わりとした。鋸歯を振動させると穿刺力が最大で約50%減少し、穿刺対象の弾性変形を押さえることに効果的であることが確認された。しかしながら加工精度のバラッキのため、最適な針の形状や振動数などを見いだすのは困難であった。また皮膚穿刺の数値シミュレータは皮膚を均一な弾性体をみなした有限要素モデル表現し、針を押しあてたときの変形及び破断を模擬するように動作させた。動形状、同サイズ(厚さ0.2mm,直径5mm)のラテックスゴムやシリコーンゴムに市販の注射針を穿刺したときの様子をシミュレーション比較した結果、破断までの形状変化が一致する事を確認した。今後、蚊のような複雑な形状の針をモデル化することにより蚊の皮膚穿刺のメカニズムを力学的に解析し、自動採血への応用を試みる予定である。
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