研究課題/領域番号 |
08833008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
海洋生物学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
竹山 春子 東京農工大学, 工学部, 助手 (60262234)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海洋藍藻 / シアノバクテリア / プラスミド / 浸透圧 / コピー数 / repA遺伝子 / 複製 |
研究概要 |
本研究では、海洋藍藻Synechococcus sp.NKBG042902の塩濃度によってコピー数が変動するプラスミド(pSY10)の複製領域の決定を行うとともにその制御機構を解明することを目的とした。1)pSY10の最小複製領域の決定、2)RepAタンパク質のpSY10複製制御領域への結合、3)repA遺伝子の発現調節機構の解析、4)各塩濃度条件下におけるrepA遺伝子のプロモーター活性変化、の項目について研究を行った。平成8年度には、pSY10の複製タンパク質をコードするrepA遺伝子の下流領域に複製を負に制御する領域(m領域)、安定化する領域(p領域)が存在することを明らかにし、repA遺伝子とその下流領域が安定な複製に必要な領域であることを示した。平成9年度では、RepAタンパク質がm領域に結合することによってpSY10は高コピー数で維持されることを示した。特に、この現象は、内在性pSY10を保有する海洋藍藻Synechococcus sp.NKBG042902では、海水条件下で培養したときのみ確認されることより、淡水条件下においては、RepAタンパク質の発現量が少ないために、プラスミド複製の開始頻度が抑制されていることが示唆された。さらに、淡水条件下でのみRepAタンパク質の発現が抑制される要因を明らかにするために、淡水・海水条件下で、repA遺伝子のプロモーター領域に結合するタンパク質が存在するかを検討した結果、淡水条件下でのみNKBG042902のゲノムより特異的に発現し、プロモーター領域に結合するタンパク質の存在が示唆された。このタンパク質の結合によって、プロモーター活性の抑制が、リポーター遺伝子の発現量を指標にした実験によっても確認された。このタンパク質の結合によってプロモーター活性が抑制され、RepAタンパク質の発現が抑えられることにより、最終的にはPSY10の低コピーを引き起こすことが示された。NKBG042902の保有するpSY10は、生息環境である海洋条件下では、通常のRepAタンパク質支配型のプラスミドと同様の複製様式を示すが、ひとたび淡水ストレスを受けると、その情報がホストゲノムを通じて伝達され、コピー数の制御を受ける。これは、今までには報告のない新規な複製制御機構である。
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