研究課題/領域番号 |
08834004
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
極微細構造工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
|
研究分担者 |
荒川 泰彦 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (30134638)
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | ヘテロ構造 / ガリウムひ素 / 2次元電子 / 量子井戸 / トンネル効果 / サイクロトロン共鳴 / フェムト秒 / テラヘルツ |
研究概要 |
我々は、ブロッホ発振器や電子波方向性結合器などの新機能デバイスの可能性を探索するために、結合量子井戸構造中の電子波束のコヒーレント・トンネル現象のダイナミクスを明らかにすることを目的として、研究を遂行した。 まず、我々は、極短寿命光伝導体とダイポールアンテナ構造を組み合わせた光伝導ダイポールアンテナとフェムト秒レーザからの光パルスを用いることにより、結合量子井戸構造中の光励起2次元電子の振動的なトンネル現象(ラビ振動)により放出されるテラヘルツ光を時間領域で検出し、トンネル効果のコヒーレンスを直接求めることを試みたが、現段階ではトンネル効果によるテラヘルツ光は検出できていない。試料中のバルク領域を流れる電流サージによるテラヘルツ光は観測されているため、測定系の問題ではないと考えられるが、今後さらに検討してゆく予定である。 コヒーレント・トンネル効果のダイナミクスに関する情報を得るための相補的な方法として、我々は非対称結合2重量井戸構造のサイクロトロン共鳴の測定を行った。非対称量子井戸構造中では、量子化エネルギーの差により電子の有効質量がわずかに異なるため、それをマーカーとすることによりトンネル効果のダイナミクスを調べることができる。その結果、2つのサイクロトロン・モード間の相互作用が、テラヘルツ光吸収スペクトルに大きな影響を与えていることが明らかになった。
|