研究課題/領域番号 |
08835011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
咀嚼
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 茂之 京都大学, 医学研究科, 講師 (50228996)
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研究分担者 |
吉田 博昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (40260624)
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 顎関節内障 / 滑膜細胞 / 細胞培養 / ビメンチン / テネシン / TGF-β / テネイシン / 顎関節 / 細胞外基質 / サイトカイン / In-situ hybridization |
研究概要 |
当教室の外来を訪れた顎関節症患者の内、顎関節手術の対象となった重度症例(顎関節授動術4例、顎関節円板切除術4例、顎関節鏡視下剥離受動術3例)の顎関節滑膜の一部を無菌的に切除し培養を試みた。今日までヒト顎関節滑膜細胞の培養に関する報告は皆無であり、まずその培養条件を確立することを第一目標とした。顎関節から採取できうる滑膜の絶対量は、ひざの滑膜に比較して著しく少量で、そのため膝関節滑膜培養法に準じて滑膜細胞以外の組織を物理的または化学的に除去した場合、ほとんどの症例でわずかの細胞しか残存していない。そこで我々はヒト顎関節滑膜細胞の培養の最適手術を開発した。その設定条件は、培養のみ、5%および10%ウシ血清アルプミン含有培地であった。その結果、培地のみ、5%ウシ血清アルプミン含有培地の群では、ほとんど細胞増殖は観察できなかったが、10%ウシ血清アルプミン群で38時間経過すると滑膜の増殖が観察できた。この細胞を免疫組織化学的に抗サイトケラチン、抗ビメンチン抗体にて染色したところサイトケラチンに反応した細胞は皆無であったが、大多数の細胞がビメンチンに反応を示しその反応形式も変異にとんでいた。これより結合組織由来の細胞で構成されていることが判明した。また、10%ウシ血清アルブミン含有培地下に培養を試みた顎関節滑膜は、開口障害あるいは疼痛の強い患者から得られた滑膜細胞ほど、細胞増殖が激しいことが観察された。更にこの培養細胞上清液中に含有されるTGF-β,IL-1β,IL-6値をELISAにて定量計測した。その結果IL-6値はどの培養細胞株でも高い濃度を検出できたが各株間の有為差はなかった。他のTGF-β,IL-1βはどの培養細胞株でも検出できなかった。 一方、テネイシンのIn-situ-hybridizationを施行したところmRNAが顎関節円板最表層特に肥厚をともなった病的滑膜に確認でき、その産生が明らかとなった。また肥厚した滑膜内層にTGF-βとテネイシンが局在し、そのさらに内部に毛細血管新生しているのが免疫組織化学的に確認できた。
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