研究課題/領域番号 |
08837016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
談話(ディスコース)
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
水野 節子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (50141247)
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研究分担者 |
長原 和子 東洋女子短期大学, 教授 (50105003)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 初期発話 / 音響的特性 / 欲求充足 / コミュニケーションの成立 / 意図と抑揚 / 模倣と応答 / 抑揚 / 要求 / 意図 |
研究概要 |
幼児は誕生直後より様々な刺激を知覚し、次第にこれらの刺激の幼児自身に及ぼす効果を理解できるようになる。相手に対して働きかけて、応答を期待するコミュニケーション反応は幼児の欲求を充足する為に役立ち、幼児は欲求を充足させた対象を環境の中から識別することを学習する。幼児の初期の自発的な発声に対して周囲のおとなとくに母親が受容的かつ積極的に応答反応を行うことによって、極く初期から幼児は自分の音声をコミュニケーションの手段として使用できることを学習する。幼児が話しかけられる音声言語の中から言語を習得していくとき、幼児は単音をひとつずつ認知し模倣するのではなく、むしろ話し手の音声の音響的特徴の一連のパタンを学習すると考えられる。さらに幼児の言語は、成人の言語の不完全な部分というよりはむしろ、幼児の欲求等をより的確に伝えるための完結したコミュニケーションであるということができる。本研究は音響的特性の習得が幼児の欲求充足とどのように関連しているかを以下の観点から明らかにした。(1)初期発話の特徴:自発的行動、目標行動、欲求の表現行為から成る幼児の初期行動は幼児の欲求充足と密接に関連する。幼児は語彙、文法を習得する以前に、音声を用いた対話の形式を習得し他者とのコミュニケーションを成立させる。(2)初期発話の意図と抑揚:幼児の初期発話においても抑揚型と文脈特性は密接に関連しており、対話を通じて系統的に習得される。(3)言語習得における模倣と応答:幼児の言語習得は母親との相互作用過程を通じて促進される。幼児の初期の発話は欲求、叙述を表わす自発発話、相手の発話の一部または全部の模倣、相手の発話に対する応答、ひとりごと等いずれにも特定できないものに分類することができる。幼児の言語習得は先ず模倣から始まり、種々の応答反応とその収束過程によって自分の意思を伝達する為の学習を経て、自発発話が可能となる。
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