研究課題/領域番号 |
08838007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 恒夫 東京大学, 医学部, 助手 (80200658)
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研究分担者 |
井原 康夫 東京大学, 医学部, 教授 (60114386)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / カルパイン |
研究概要 |
アルツハイマー病の患者に認められるアミロイドβ蛋白(Aβ)の脳内沈着は疾患特異性が高く、アルツハイマー病の主原因のひとつであると考えられている。Aβはアミロイドβ前駆体蛋白(βAPP)から未同定のプロテアーゼによって切出されるが、C末側のアミノ酸配列によって規定される2つのsubspeclesが存在することが知られている。このうち、Aβ40は最後のアミノ酸がバリンで終り、Aβ42はアラニンで終わっている。分泌されるAβのおよそ90%はAβ40であるにもかかわらず、アルツハイマー病の発症にはAβ42が重要な役割を演じていることが最近の研究から分かってきたが、どのような機構でAβ40とAβ42が選別されて産生されるのか一切不明のままである。特に、それぞれが別個のプロテアーゼによって切出されるのか、それとも同一のプロテアーゼによって産生されるのかは研究者の興味の中心だった。われわれは、細胞質内に存在する代表的なプロテアーゼであるカルバインとプロテアソームに対する阻害剤を培養細胞に作用させて、そのAβ産生に及ぼす影響を、Aβ40とAβ42を別個に検出可能な鋭敏なELISA法を用いることによって検討した。この結果、カルパインの特異的阻害剤であるカルパスタチンの活性中心ペプチドの投与のよって、Aβ42の産生が増加し、Aβ42のAβ全体にしめる割合が増加することが判明したが、プロテアソームの特異的阻害剤では変化がなかった。これらの結果は、Aβ40とAβ42が別個の酵素によって産生される可能性を示すものである。
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