研究課題/領域番号 |
08838008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本間 美和子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40192538)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞老化 / 細胞内情報伝達系 / イノシトールリン脂質代謝 |
研究概要 |
細胞がどのようなメカニズムを経て老化するのか、その現象の本体はいまだに未知なる領域である。しかしながら増殖の抑制をコントロールするような細胞内情報伝達機構を明らかにすることは、細胞の老化や不死化という生命現象の本質を解明するために重要と考えられる。そこで本研究は老化に伴い細胞内情報伝達系がどのように変化するのかを解析することにより、老化に伴う増殖シグナルの衰退を明らかにすることを目的とした。 これまでの研究で、1)若年ヒト線維芽細胞では血小板由来増殖因子(PDGF)刺激により、初期反応としてホスホリパーゼC(PLC)の速やかな活性化が観察されるのに対し、老化細胞ではPDGF刺激にともなうPLC活性化がみられないこと、2)この場合PDGF受容体の発現量やPDGF結合活性、チロシンキナーゼ活性、PLCの発現量、定常レベルでの内在PLCの活性、には差異はみられないこと、3)若年と老化細胞ではイノシトールリン脂質代謝の基礎レベルに相違はみられないこと、4)PI-kinaseの下流に存在する複数の内在性プロテインキナーゼの活性化が老化細胞では減弱していること、等を明らかにしてきた。これらの結果は、老化細胞では受容体刺激後PLC活性化に至る経路のどこかを阻害する原因が存在することを示唆する。 老化細胞では、細胞増殖を積極的に抑制するシグナル系により、増殖因子に対して不応性になっている可能性が考えられる。今後、受容体と各情報系との機能的連関を生化学的に解析することにより、老化細胞での増殖抑制を司るメカニズムを明らかにしたい。その結果 老化細胞における増殖因子への不応性が既知の情報伝達系の変化に原因するものなのか、あるいは老化細胞に特徴的な新たなメカニズムが存在するのかどうかを明らかにしたい。
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