研究課題/領域番号 |
08839002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
免疫の制御機構
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊池 雄士 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60262078)
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研究分担者 |
植原 昭治 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60272499)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | X染色体連鎖免疫不全 / Btk / B細胞分化 / チロシンキナーゼ / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
X染色体連鎖免疫不全(XID)マウスはプルトン型チロシンキナーゼ(Brutin′s tyrosine kinase:BtK)のpleckstrin homology(PH)領域に一つのアミノ酸変異(Arg28→Cys)を有し、そのB細胞は分化異常に起因すると考えられている広範な免疫不全を示す。本研究では、B細胞の初期発生と機能細胞への分化におけるBtkの役割の解明を目的とした。 (研究成果) 1.BtkのPH領域に会合する分子の同定、cDNAの単離を試みた。GST融合Btk(PH)をプローブとしてλgt11で作成したIL-5依存性早期B細胞(Y16)cDNAライブラリーをウェストーウェスタン法によるスクリーニングを行い、数クローンの部分的cDNAを単離した。これらの部分的cDNAを蛋白として発現させin vitroで全長およびXID型Btkと会合することが確認できた。単離したcDNAの部分的遺伝子配列を決定し、既知の分子とは異なることが示唆された。現在全長のcDNAの単離を進めている。 2.1.で単離したcDNAを基に予想されるアミノ酸配列の合成ペプチドに対するポリクローナル抗体を作製した。 3.野生型及びXID型Btk遺伝子導入トランスジェニックマウスのB細胞の初期発生、免疫応答の解析を行い、野生型Btk導入XIDマウスでは腹腔内浸出細胞中にはXIDマウスで欠損しているLy-1陽性B細胞の存在が認められること、XIDマウスのB細胞が全く応答を示さない抗RP105抗体刺激やIL-5プラス抗CD38抗体の共刺激に対して野生型Btk導入XIDマウスB細胞が有意な応答を示すことを明らかにした。XID型BtkトランスジェニックマウスではXIDマウスで欠損しているLy-1陽性B細胞が同腹仔の20%程度にまで減少しており、B細胞の抗RP105抗体、抗CD38抗体、抗IgM抗体刺激(XIDマウスではこれらの刺激に全く応答しない)に対する増殖応答が低下していることを明らかにし、野生型マウスにXID型Btkを発現させるとB細胞の活性化が抑制されることが示された。
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