研究課題/領域番号 |
08839008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
免疫の制御機構
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Bリンパ球 / 抗原レセプター / アポトーシス / 細胞表面免疫グロブリン / キャッピング / 膜結合型抗原 / 抗Ig抗体 |
研究概要 |
我々は、化学的架橋剤を用いて抗Ig抗体を赤血球や株化ミエローマ細胞に結合した抗Ig抗体結合細胞と脾B細胞を反応させ、可溶性抗Ig抗体の場合と比較した。その結果、可溶性抗Ig抗体で刺激した場合にも、抗体の濃度によってはアポトーシスをおこすことが明らかとなった。しかしながら、B細胞を抗Ig抗体結合細胞と共に培養した場合には、可溶性抗Ig抗体で刺激した場合に比べて著明に強くアポトーシスが誘導され、固相化抗Ig抗体で刺激した場合と同様に24-48時間程度の間にほとんどのB細胞はアポトーシスをおこし死滅した。この知見は、膜結合型抗原が可溶性抗原よりはるかに強力にB細胞アポトーシスを誘導することを示している。抗Ig抗体に反応したB細胞のsIg分子の分布を蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、抗Ig抗体結合細胞と共に培養した場合、B細胞表面で多数のsIgの凝集(キャッピング)を認めることができた。しかし、可溶性抗Ig抗体で刺激した場合にも抗Ig抗体の濃度を高くし、B細胞のアポトーシスが観察できる濃度にした際にはsIgのキャッピングを認めた。したがって、sIgのキャッピングがアポトーシスの誘導に関与する可能性は示唆されたが、可溶性抗Ig抗体と抗Ig抗体結合細胞の差を説明することはできなかった。さらに、我々は、Bcl-2を過剰発現するためにアポトーシスが遅延するBcl-2トランスジェニックマウスのB細胞のsIgを固相化抗Ig抗体を用いて強くクロスリンクした際に、約15時間で細胞周期が停止することを明らかにした。したがって、正常B細胞がsIgを介するシグナルによりアポトーシスをおこす際に、アポトーシスに先だって、細胞周期の停止が起こることが明かとなり、細胞周期の停止がB細胞のアポトーシスの引き金を引いていることが示唆された。
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