研究課題/領域番号 |
08839012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫の制御機構
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
緒方 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (60224094)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / PTP36 / 細胞接着 / 細胞増殖 / セリン / スレオニンキナーゼ / トランスロケーション / 細胞死 |
研究概要 |
我々は、細胞質型チロシンホスファターゼ相同性分子PTP36の構造をはじめて明らかにし、さらに、PTP36自身がリン酸化されることを見い出した。細胞接着の剥離やSrcキナーゼは、PTP36の脱リン酸化を引き起こす。本研究では、PTP36のリン酸化制御機構の解析とPTP36の機能について検討した。 PTP36のリン酸化の解析 PTP36が、これをリン酸化するセリン/スレオニンキナーゼと複合体を形成する事を明らかにした。スタウロスポリンはin vivoとin vitroの両方でPTP36のリン酸化を抑制した。一方、ML-9(MLCKの阻害剤)やW-7(カルモジュリンの阻害剤)は、in vivoリン酸化のみを抑制し、リン酸化制御過程のより上流に影響を及ぼすと考えられた。 PTP36の機能解析 (1)PTP36の細胞内局在の検討。接着した線維芽細胞では、PTP36は細胞質に存在した。一方、接着の剥離やv-srcキナーゼの導入は、PTP36の細胞骨格へのトランスロケーションを引き起こした。(2)リン酸化がPTP36に及ぼす影響の検討。オガタ酸は、PTP36の脱リン酸化と同時にトランスロケーションを完全に抑制し、PTP36の脱リン酸化がトランスロケーションの引き金となることを明らかにした。(3)PTP36と会合する分子の検討。酵母のtwo-hybrid systemを利用して、PTP36と結合する分子を検索し、PTP36と細胞内で結合する分子を複数クローニングした。今後、これらの分子の機能とPTP36との関連を検討する。(4)PTP36の細胞死への影響。PTP36の過剰発現は、細胞形態の変化やアクチンからなる細胞骨格の減少、さらに、接着性や増殖性の減少を引き起こしたが、同時に抗Fas抗体による細胞死を増強することを見い出した。今後、PTP36の、細胞死の過程における役割についても検討する。
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