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第三世代システムとしての心の認知活動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08871001
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 哲学
研究機関九州工業大学

研究代表者

中村 雅之  九州工業大学, 工学部, 助教授 (70207918)

研究期間 (年度) 1996 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードオートポイエーシス / 創発性質 / 構造的カップリング / エナクション / 動的システム論 / シミュレーション説 / カテゴリー / オートポイエ-シス / コネクショニズム / 認知
研究概要

オートポイエーシス論の視点からすれば、認知とは、オートポイエーシス・システムとしての脳-身体が、環境とのカップリングを通じて相互作用することである。ただし、ここで言う相互作用は、因果的な相互作用ではない。神経系の状態は、外界ではなく、神経系自身の構造によって決定されているのである。従来の認知観は、情報処理システムとしての脳が、外界からの入力を処理して出力として返すことによって、認知が成立するとしていた。これに対して、オートポイエーシス理論は、認知の情報処理モデルを廃し、徹底した<システム内部からの視点>を貫く。
オートポイエーシス論は、一言でいえば、認知を生物的活動として位置づけ、認知概念を著しく拡張する。拡張された認知概念は、ヴァレラによって、<エナクション>と名づけられ、認知と行為(活動)のいわば融合体と見なされる。
ただ、このような拡張された認知概念から、言語を始めとする記号の導出する仕方には、旧来の認知観の残滓が認められる。オートポイエーシスとしての認知活動の説明において、従来の認知主義的な表象概念に頼る点が見受けられるのである。この点で、最近の<動的システム理論>は、認知活動に表象はまったく不要であると主張する点で、よりラディカルな立場をとる。オートポイエーシスの観点から認知活動をより十分に解明するには、今後、この動的システム理論との関連から研究を進めるのが有益だろう。動的システム理論は、コネクショニズムなどを含む、より包括的なシステム理論であり、オートポイエーシス論と<カップリング>などの概念を共通項としてもっている。おそらく、オートポイエーシス理論もこのような包括的な文脈の中に位置づけることによって、認知主義に代わる一層強力な認知観を提出できるだろう。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中村雅之: "主観:認知科学と経験の関係からの考察" アルケー. No.6. 128-138 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 中村 雅之: "主観-認知科学と経験の関係からの考察-" 『アルケ-』(関西哲学会). No.6. (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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