研究課題/領域番号 |
08873010
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
井口 富夫 龍谷大学, 経済学部, 教授 (70113115)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 保険業 / 生命保険 / 相互会社 / 総代会 / 消費者利益 / 保険 / 規制 / 規制緩和 |
研究概要 |
1 わが国を始めとして、主要先進諸国では、大手生命保険会社は、相互会社である。相互会社は、株式会社のような営利法人ではなく、また公益法人でもない。非営利の中間法人であり、保険業にのみ認められている特殊な企業形態である。 2 本研究は、相互会社の行動が、一般的な企業形態である株式会社の行動と如何に異なるか、その行動が保険契約者利益に、どのような影響を及ぼすかを、明確にすることであった。 3 明らかになったのは、次の5点である。 ・株式会社にとっては、需要者は単なる顧客に過ぎない。しかし、相互会社にとっては、需要者は顧客であるとともに、会社の所有者でもある。 ・株式会社の場合、所有者は株主であり、株主が会社経営に関して意思表示する場は、株主総会である。一方、相互会社では、本来は社員総会が意志決定機関であるが、社員が余りにも多数に上るため、実際には社員総代会が最高意志決定機関になっている。 ・保険契約者(社員)は、社員総代会に自由に出席できない。というのは、総代は経営者の意志によって実質的に決められているからである。 ・保険取引が、数十年という長期にわたる場合が多いことが、保険業に相互会社制度が持込まれた理由であると思われる。保険契約者の意志が反映された企業経営が実現する要素がみられない。 ・現実には、相互会社も株式会社と同様の行動をしている。 4 今後の研究課題は、「相互会社」問題が契約者利益を、どの程度損なっているについて数量的に把握するとともに、契約者利益を確保する方策とは、何なのかを検討することである。
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