研究課題/領域番号 |
08874028
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 東京大学 (1997) 北海道大学 (1996) |
研究代表者 |
松田 祐司 東京大学, 物性研究所, 助教授 (50199816)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 高温超伝導体 / 有機超伝導体 / マイクロ波 / ジョセフソン効果 / ジョセフソンプラズマ / 渦糸格子 / 渦糸液体 / コラムナ-欠陥 / プラズマ / Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> / 渦糸状態 / デカップリング / ビーン臨界状態 / パンケーキ渦 |
研究概要 |
本研究は主として高温超伝導体と有機超伝導体に対してマイクロ波による「ジョセフソン・プラズマ共鳴」の実験を行うことにより超伝導層間の量子位相コヒーレンスの強さを定量的かつ直接的に決定することである。本年度は主として高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_8+δに対してジョセフソン・プラズマ共鳴の実験を行った。この物質は低磁場で渦糸格子が融解することが知られていたがその詳細は理解されていなかった。我々は渦糸格子の融解線の直上と直下でジョセフソン・プラズマ共鳴の実験を行い渦糸格子の融解転移にともないジョセフソン接合の強さも大きく変化することを発見した。さらに渦糸融解線直上の共鳴磁場の温度変化の結果からこの物質の渦糸液体状態では渦糸間の面間結合の強さは熱揺らぎに対してほぼ無視でき「デカップルした渦糸液体」になっていることを示すことができた。さらにBi_2Sr_2CaCu_2O_8+δに重イオン加速器を用いてコヒーレンス長程度の柱状欠陥をつくった試料に対しても同様の実験を行った。この系ではボ-ズグラス転移を起こすことが知られていたがどのようにしてボ-ズグラスが融解するかは良く解っていなかった。我々はコラムナ-欠陥中の渦糸液体には2種類の液体、すなわち「カップルした液体」と「デカップルした液体」、が存在し磁場をかけると渦糸はカップルする傾向にあることを明らかにした。これは従来の渦糸系では見ることのできなかった現象である。
|