研究課題/領域番号 |
08874045
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
河野 宣之 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (10186116)
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研究分担者 |
花田 英夫 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (60132677)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 同期電波源 / VLBI / 逆VLBI / 月・惑星 / 自転運動 / 惑星内部構造 / 周回衛星 / 惑星 / 月 / 火星 / 秤動 / 潮汐 / 自由振動 |
研究概要 |
月・惑星探査において重要な手段の一つである測地・力学的測定は、地球において最も高精度で行われて来たが、月・惑星においては著しくその精度は劣るため、地球に匹敵する惑星の研究は未だ不可能である。地球における自転運動や地殻変動の測定ではVLBIによりそれまでの数mから一気に数cmの精度が実現された。しかし、この手法をそのまま惑星に適用すると、測定誤差が天体までの距離に比例して大きくなるため、例えば火星においては100m程度になってしまう。そこで、VLBIの測定原理を全く逆にし、惑星上の2電波源が同期した電波を出し、地球の1点で受信する事により、電波源間の距離を数cm以下の誤差で測定できる同期電波源による測地法(逆VLBIと呼ぶ)を考案した。本研究では月・惑星において自転運動を地球と同等の精度で観測できるこのような観測装置の可能性と観測法を明らかにし、またこの装置を用いて月・惑星について観測可能な現象と測定精度を明らかにした。以下に具体的な主要成果を示す。 システム検討では、1)惑星上の2電波源間の距離を3cm以下の誤差に押さえるには、衛星仲介法が同期誤差測定において唯一可能な方法である。2)各電波源に必要な周波数安定度は1×10[-12]であり、衛星搭載実績を周波数標準が既にある。3)送信電力は1W、重量は数キログラム程度でよい。これらの検討から本装置は探査機に搭載可能である。観測可能な現象については、1)自転周期・軸方向の精密測定。2)火星の衛生と他の惑星による才差、章動の観測と内部構造の研究。3)火星の大気、砂の移動による自転速度の変動の可能性もある。相対論効果については、1)火星の自転によるSagnac効果として周波数変動は最大10[-10]。2)火星の楕円軌道による太陽重力場の変化で10[-9]の周波数変化等を考慮する必要がある。
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